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特許権侵害判定マニュアル

一、            特許、実用新案の請求範囲の確定

(一)請求範囲の解釈の対象の確定

1.特許又は実用新案の特許権侵害紛争事件を審理する際に、まず特許の請求範囲を確定しなければならない。特許又は実用新案の請求範囲は請求範囲に記載した技術特徴により確定された内容を基準としなければならなく、記載した技術と均等な技術特徴により確定された内容も含まれる。

請求範囲を確定する際に、特許権者が権利根拠として主張された関連請求項に対して解釈しなければならない。

 

2.独立請求項は全体から特許又は実用新案の技術案を表し、技術の問題を解決するための必須技術特徴を記載し、従属請求項と比べて、その請求範囲が最大である。請求範囲を確定する際に、普通請求範囲が最大の独立請求項に対して解釈しなければならない。

 

3.一つの特許において二つ以上の独立請求項がある場合、権利者が提出した要求により、関連独立請求項が確定した請求範囲を解釈する。

 

4.権利者は従属請求項により請求範囲を確定することを主張した場合、当該従属請求項に記載した追加技術特徴及び直接的または間接的に引用した請求範囲に記載した技術特徴とを合わせて請求範囲を確定する。

 

5.技術特徴とは、請求範囲が限定した技術案において、相対的に独立にある程度の技術機能を実行し、相対的に独立した技術効果を発生する最小の技術ユニット又はユニット組合せ。

 

(二)解釈の原則

6.特許権が有効の原則。権利者が主張した特許権利が無効される前に、その特許権利が保護されるべきであり、当該特許権利が特許法の関連権利付与条件に当たず、無効されるべきという理由にて裁判してはいけない。

特許登録簿副本また特許登録証明書と登録料納付済みの領収書はその特許が有効な証拠とすることができる。

 

7.妥協の原則。請求範囲を解釈する際に、請求項に記載した技術内容を基準とするべき、明細書及び図面、従来技術、特許が従来技術に与えた貢献などの要素に応じて合理に請求範囲を確定する。特許権が保護される範囲を請求項の文字記載の意味に限られてはいけなくし、特許権が保護される範囲を当業者が特許出願日の前に明細書及び図面を読んだ後に創造的な労働をしてから想像する内容に拡張してはいけない。

 

8.全体(すべての技術特徴)原則

請求範囲に記載したすべての技術特徴が表した技術内容を一つの全体的な技術案として対処すべき、前提部分に記載した技術特徴と特徴部分に記載した技術特徴は請求範囲を限定することに同じな機能がある。

 

(三)解釈の方法

9.請求範囲を確定する際に、国務院特許行政部門が公告して権利付与された特許ファイル又はすでに法律効力を生じた拒絶理由不服審判の審決、無効審判の審決および関連の権利付与、特許権認定の行政判決が確定した請求項を基準にするべき。請求項がいくつかのバージョンが存在する場合、最終的に有効なバージョンを基準にする。

 

10.請求項を解釈することは当業者の立場から踏まえるべき。

当業者、いわゆる当該分野の普通技術者とは、仮想的な"人間"であり、この人が出願日の前に当該分野におけるすべての通常の知識を把握し、この分野におけるすべての従来技術を把握することができ、またその出願日の前に通常の実験手段を運用する能力を有する。

当業者は具体的なある人又はあるタイプの人ではなく、教育レベル、役職、クラスなどの具体的な標準を参照してはいけない。当事者は当業者がある普通の技術知識を把握するか否か及び通常の実験手段を運用する能力があるか否かにつき、異義がある場合、証拠を挙げて証明するべき。

 

11.請求項の解釈に対して、澄清、補いと特定場合の訂正という三つの形式があり、すなわち、請求項における技術特徴が表した技術内容が不明瞭な場合には、この技術特徴を澄清することと、請求項における技術特徴が理解上では欠陥がある場合には、この技術特徴を補うことと、請求項における技術特徴の間に矛盾があることなどの特定場合には、この技術特徴の意味を訂正する。

 

12.明細書及び図面は請求範囲に文言上に限定した技術案の保護範囲を合理的に解釈することができ、すなわち請求範囲に記載した技術特徴と均等の特徴を特許権の保護範囲に解釈して、又は明細書及び添付図面によりある技術特徴に対して境界を定める。

 

13.請求範囲を解釈するのため、明細書及び図面、請求範囲における関連請求項、特許審査包袋及び有効的な法律文書に記録した内容を使用することができる。

上記方法にて請求項の意味を依然として明確できない場合、参考書、教科書等の公知文献及び当業者の通常理解を踏まえて解釈することができる。

このマニュアルで言及した特許審査包袋とは、特許審査、復審(拒絶理由不服審判)、無効審判の過程における国務院の特許行政部門及び特許復審委員会により発行した拒絶理由通知書、特許出願人または特許権者による書面的な意見書、口頭審理の記録シート、インタビュー記録などを指す。

このマニュアルで言及した有効的な法律文書とは、すでに法律効力を生じた拒絶理由不服審判の審決、無効審判の審決および関連の権利付与、特許権認定のための行政判決を指す。

 

14. 請求項と明細書とが一致せずまたは互いに矛盾する場合、この特許が特許法第26条第4項の規定に満たず、当事者に特許無効というプロセスにより解決することを伝える。当事者が特許無効プロセスを起動し、具体的案件情況によって訴訟を中止するか否かを確定する。

当事者が特許無効プロセスによって解決したくないまたは合理的な期間内に特許権無効請求が提出されない場合には、特許権有効原則と請求項の優先原則に沿って、請求項に限定された保護範囲を基準とするべき。しかし、当業者が請求範囲と明細書及び図面を読むことにより保護しょうとする技術案から具体的、確定的、唯一的な解釈を得る場合には、この解釈により請求項における間違った表現を澄清または訂正するべき。

 

15.従属請求項には独立請求項に記載するべき、特許の技術課題を解決するために必須技術特徴(この技術特徴が欠如で、独立請求項に記載した技術案が発明の目的を実現することができない)が含まれた場合、この特許は特許法実施細則の第二十条第二項の規定に満たず、当事者に特許無効宣告というプロセスにより解決することを伝える。当事者が特許無効請求プロセスを起動し、具体的案件情況によって訴訟を中止するか否かを確定する。

 

16.請求項において機能または効果にて表した機能的な技術特徴に対して、明細書及び図面が記載したこの機能また効果の具体的な実施形態及びそれと均等する実施形態に沿って、この技術特徴の内容を確定する。

機能的な技術特徴とは、請求範囲における製品の部品または部品の間の協同関係または方法のステップに対してそれが発明創造における役割、機能または奏した効果により特定された技術特徴を指す。

次のような状況は一般的に機能的な技術特徴に認定されない。

1 )機能的または効果的な言語表現且つ当業者が一般に知られている専門用語などの技術特徴、例えば導体、冷却装置、接着剤、増幅器、変速装置、フィルターなど。

2 )機能的又は効果的な言語表現を使用すると同時に、対応する構成、材料、ステップなどの特徴にて記載された技術特徴。

 

17.機能的な技術特徴の内容を確定する際に、機能的な技術特徴を明細書に対応する前記の機能と効果を実現するための不可欠な構成、ステップ特徴に限定しなければならない。

 

18.方法特許の請求項はステップの順番に明確な限定がある場合には、ステップそのものとステップの間の順番はともに特許権の保護範囲を特定しなければならない。方法特許の請求項はステップ順番に明確な限定がない場合、それを理由として、ステップの順番が請求項への限定役割を無視してはいけなく、明細書と図面と請求項に記載した全体の技術案と各ステープの間のロジック関係及び特許審査包袋とを踏まえて、当業者の立場から、各ステップが特定の順番に従って、実施するべきか否かを確定する。

 

19.方法特徴により限定され製品の請求項につき、方法特徴が特許権保護範囲に対して限定の役割を果たす。

 

20.実用新案の請求項に非形状と非構造の技術特徴が含まれる場合には、当該技術特徴が特許権の保護範囲を限定することになり、この技術特徴の文字表現の意味により解釈を行う。

非形状、非構造の技術特徴とは、実用新案の請求項に記載した製品の形状、構造又はそれらの組み合わせなどに属さない技術特徴を指し、例えば用途、製造プロセス、使用方法、材料成分(構成、割合)など。

 

21.製品発明または実用新案の請求項は応用分野、用途が限定されない場合、応用分野、用途は一般的に特許権保護の範囲を限定する役割を果たしない。

製品発明又は実用新案請求の請求項は応用分野、用途が限定された場合、応用分野、用途を請求項の保護範囲に対して限定の役割を果たす技術特徴とするべき。ただし、この特徴は保護が要求された構造と・又は構成自分自身に影響を与えなければ、この技術案の権利付与に実質的な役割を果たしなく、製品又は設備の用途または使用方式に対して記載するだけの場合には、特許権の保護範囲に対して限定の役割を果たしない。

 

22.請求項に記入した使用環境特徴は必須技術特徴に属し、特許権保護範囲に対して限定の役割を有する。

使用環境特徴とは請求項における特許が使用した背景または条件を記載する技術特徴を指す。

 

23.被疑侵害製品(製品又は方法)が請求項に記載した使用環境に適用されてもいい場合、被疑侵害製品(製品又は方法)は請求項に記載した使用環境の特徴が備えることを認定されるべきであるが、被疑侵害製品(製品又は方法)が実際にこの環境特徴を使用することを前提としない。

 

24.明細書の技術用語に対する解釈がこの技術用語の通用意味と違う場合には、明細書の解釈を基準とするべき。

訴訟された侵害行為が発生する時に、技術用語にすでに他の意味が生じる場合には、特許出願日際の意味にてこの技術用語を解釈する。

 

25.同じ技術用語は請求範囲と明細書で表した意味が一致しなければならなく、一致しない場合には請求範囲を基準としなければならない。

 

26.請求範囲に図面の符号が引用される際に、図面における図面符号が反映した具体的な構成により請求項における技術特徴を限定してはならない。

 

27.特許権の保護範囲は明細書に公開した具体的な実施形態に限定さててはいけないが、以下の状況が例外である。

1 )請求項が実質的に実施形態に記載した技術案である場合。

2 )請求項が機能的な技術特徴を含む場合。

 

28.要約書の役割が技術情報を提供し、公衆の調査に便利させるものであり、特許権の保護範囲を確定することに用いられることができず、請求項を解釈することにも用いられることができない。

 

29.特許文書における印刷のミスが特許権保護範囲の確定に影響する際に、特許審査包袋により訂正することができる。

明らかな文法ミス、文字ミス等に対して、請求項または明細書の全体及び文の前後から唯一の理解を得る場合には、実際の状況によって解釈すべき。

 

二 発明、実用新案の特許権侵害の判定

 

(一) 技術特徴の比較方法

30.被疑侵害製品(製品又は方法)が特許権の保護範囲に含まれるか否かを判定するには、権利者が主張した請求項に記載した全ての技術特徴を審査しなければならない、且つ請求項に記載した全ての技術特徴と被疑侵害製品(製品又は方法)が対応する全ての技術特徴をひとつづつに比較しなければならない。

 

31.被疑侵害製品(製品又は方法)に請求項に記載した全ての技術特徴と同様または均等の技術特徴が含まれる場合には、特許権の保護範囲に含まれると認定しなければならない。被疑侵害製品(製品又は方法)の技術特徴と請求項に記載した全ての技術特徴とを比較して、請求項に記載した一つまたは複数の技術特徴が欠き、又は一つまたは一つ以上の技術特徴が同様でない且つ均等でない場合には、特許権の保護範囲に含まれないと認定しなければならない。

 

32.権利侵害の判定において、特許製品と侵害製品とを直接的に比較してはならないが、特許製品は関係する技術特徴と技術案を理解することに用いられることができる。

 

33.権利者、被疑侵害者の双方当事者が特許権を有する場合、一般的には、双方の特許製品又は双方の請求項によって、権利侵害の比較を行うことはできない。

 

34.製品の発明又は実用新案に特許権侵害の比較判定を行う場合、一般的には、侵害物と特許技術が同一の応用分野であるか否かについては考慮しない。

 

(二) オールエレメント侵害

35.オールエレメント侵害とは、文字意味における侵害であり、被疑侵害製品(製品又は方法)が請求項に記載した全ての技術特徴と同様の対応技術特徴を備えていることを指す。

 

36.請求項にに記載した技術特徴は上位概念の特徴であり、被疑侵害製品(製品又は方法)の技術特徴は下位概念の特徴であるとき、被疑侵害製品(製品又は方法)は特許の保護範囲に含まれる。

 

37.被疑侵害製品(製品又は方法)が請求項の全ての技術特徴を含む上で、新たな技術特徴を加えたとしても、依然として特許の保護範囲に含まれる。

ただし、請求項における文字表現が新たな技術特徴を除いた場合には、被疑侵害製品(製品又は方法)が特許の保護範囲に含まれることを考えてはいけない。

 

38.組成物の封閉式請求項に対して、被疑侵害製品(製品又は方法)が請求項の全ての技術特徴を基礎にして、新たな技術特徴を加えた場合には、特許の保護範囲に含まれない。ただし、被疑侵害製品(製品又は方法)に新たに加えた技術特徴が組成物の性質と技術効果に実質的な影響がないまたはこの特徴が避けられない通常量の不純物である状況は例外である。

 

39.機能的な特徴が含まれた請求項に対して、被疑侵害製品(製品又は方法)がこの特徴と同じな機能を実現するだけではなく、この機能を実現する構成、ステップと明細書に記載した具体的な実施形態により確定し構成、ステップとが同様となる場合、被疑侵害製品(製品又は方法)が特許の保護範囲に含まれる。

 

40.後に権利付与された特許又は実用新案が先の特許又は実用新案に対する改良であり、他の技術特徴が加えられた場合には、後に権利付与された特許は従属特許に属する。実施従属特許が先の特許権の保護範囲に含まれる。

以下の状況が従属特許に属する。

(1)後の製品特許の請求項が先の製品特許の請求項の全ての技術特徴を基礎にし、新たな技術特徴を加えた。

(2)元の製品特許の請求項を基礎にし、従来に発見されていない新たな用途が発見された。

(3)元の方法特許の請求項を基礎にし、新たな技術特徴を加えた。

 

(三)均等侵害

41.特許権侵害の判定において、同様の侵害が成立しない場合には、均等侵害になるか否かを判定しなければならない。

 

42.均等侵害とは、被疑侵害製品(製品又は方法)の一つ又は二つ以上の技術特徴は請求項における対応する技術特徴と文言上では異なるが、均等特徴に属し、被疑侵害製品(製品又は方法)は特許権の保護範囲に含まれると認定しなければならないことを指す。

 

43.均等特徴とは、請求項に記載した技術特徴とほぼ同じ手段により、ほぼ同じ機能を実現し、ほぼ同じ効果を達し、当業者は創造的な労働がなくても得られる技術特徴を指す。

 

44.ほぼ同じ手段とは、被疑侵害行為の発生日の前に特許が属した技術分野に通常の置換の技術特徴及び動作原理がほぼ同じな技術特徴を指す。

出願日の後に発生し、動作原理が特許の技術特徴と異なる技術特徴は、被疑侵害行為の発生日に当業者が容易に想到する置換特徴に属し、ほぼ同じ手段と認定してよい。

 

45.ほぼ同じ機能とは、被疑侵害製品(製品又は方法)における置換手段による役割と、請求項に対応する技術特徴が特許技術案において果たす役割とがほぼ同じことを指す。

 

46.ほぼ同じ効果とは、一般的には被疑侵害製品(製品又は方法)における置換手段により達した効果と請求項に対応する技術特徴による技術効果とは実質的な差異がないことを指す。

被疑侵害製品(製品又は方法)における置換手段は請求項に対応する技術特徴に対する技術効果につき、明らかな増加又は低減に属さない場合には、実質的な差異がないと認定する。

 

47.創造的な労働がなくても想到するとは、当業者にとって被疑侵害製品(製品又は方法)における置換手段と請求項における対応技術特徴とは相互に置換することが明らかである。

 

48.手段、機能、効果及び創造的な労働が必要するか否かに対して順番に判断しなければならない。

 

49.均等特徴の置換は具体的な、対応する技術特徴の間の置換でなければならなく、技術案全体の置換ではない。

 

50.均等特徴は、請求項のいくつかの技術特徴が被疑侵害製品(製品又は方法)の一つの技術特徴と対応してもよく、請求項の一つの技術特徴が被疑侵害製品(製品又は方法)のいくつかの技術特徴の組み合わせと対応してもよい。

 

51.均等特徴の置換は、請求項に区別技術特徴の置換も含まれば、請求項の前提部分における技術特徴の置換も含まれる。

 

52.被疑侵害製品(製品又は方法)の技術特徴と請求項の技術特徴とは均等か否かを判定するタイミングは、被疑侵害行為の発生日を限界としなければならない。

 

53.請求項と被疑侵害製品(製品又は方法)とは複数の均等特徴が存在する場合には、これらの複数の均等特徴の累積が被疑侵害製品(製品又は方法)を請求項の技術構想と異なる技術案に形成させ、または被疑侵害製品(製品又は方法)が予想以外の技術効果を得る場合には、一般的に均等侵害となると認定されない。

 

54.機能的な特徴が含まれる請求項に対して、被疑侵害製品(製品又は方法)の対応する技術特徴が同じ機能を実現しただけではなく、この機能を達成する構成、ステップも明細書に記載した具体的な実施形態により確定された構成、ステップとは均等になる場合には、均等特徴を構成したと認定される。

上記均等の判断の限界は特許出願日にしなければならない。

 

55.数値範囲が含まれる技術案に対して、被疑侵害製品(製品又は方法)が使用している数値と請求項に記載した対応数値とは異なる場合には、均等を構成すると認定してはいけない。

ただし、権利者が被疑侵害製品(製品又は方法)に使用された数値が技術効果では請求項に記載した数値と実質的な差異がないことを証明できる場合には、均等を構成すると認定しなければならない。

 

56.明細書または図面のみに記載され請求項に限定されない技術案に対して、権利者がこの技術案を放棄することを見なしなければならない。権利者が均等侵害を理由として特許権の保護範囲にこの技術案が含まれることを主張する場合には、支持されない。

被疑侵害製品(製品又は方法)が明細書から明らかに排除された技術案に属す場合には、特許権者が均等となることを主張することは支持されない。

 

57.被疑侵害製品(製品又は方法)における技術特徴と請求項における技術特徴が均等するか否かを判断する際に、被疑侵害者は権利者がこの均等特徴に対してすでに放棄し、禁反言するべきことを理由として抗弁することができる。

禁反言とは、特許の審査または無効手続きにおいて、特許の出願者または権利者が請求項、明細書の訂正または意見陳述の方式により、請求項の保護範囲を限定又は部分的に放棄することで、特許権侵害の訴訟では、均等侵害を構成するか否かを確定する際に、特許の出願人または権利者が既に放棄した内容を再度特許権の保護範囲に入らせることを禁じることである。

 

58.特許の出願者または権利者が限定又は部分的に放棄した保護範囲は、新規性と進歩性が欠如することと、必須技術特徴が欠くことと請求項が明細書から支持を得ないこと及び明細書が十分に公開されていないなど、権利付与できない実質的な欠陥を克服する必要に基づかなければならない。

特許の出願者または権利者が特許文書を訂正する原因を釈明できない場合には、この訂正が権利付与ための実質的な欠陥を克服することを推定することができる。

 

59.権利者が請求項の保護範囲に対して部分的に放棄することは必ず明示され、書面陳述、特許審査包袋、有効な法律文書においてすでに記録しなければならない。

 

60.禁反言の適用は被疑侵害者の請求を前提にし、被疑侵害者によって特許の出願人または権利者が反言した対応証拠を提供する。

 人民法院が法律によって権利者の反言した証拠が記載された証拠を得た場合には、調査された事実に基づき、禁反言の適用によって請求項の保護範囲に対して必要な制限を行い、合理的に特許権の保護範囲を確定する。

 

三 意匠特許権の保護範囲の確定

 

61.意匠特許権の紛争案件を審理する際に、特許権の保護範囲を確定しなければならない。意匠特許権の保護範囲は図面又は写真で表された特許製品の意匠を基準とし、意匠の簡単な説明及び設計要点、権利者が無効手続き及び訴訟手続きにおける意見陳述、国務院行政部門の要求に応じて意匠出願手続きで提出したサンプルまたはモデルなど、意匠特許権の保護範囲の解釈に用いられることができる。

 

62.意匠公告の権利付与ファイルに設計要点がない場合には、権利者は書面材料を提出し、意匠の独特な部位及び設計内容を説明することができる。

 

63.当事者が提出した特許製品の意匠の発展変化を証明するための関連証拠は、保護範囲を確定する際に考慮することができる。

 

64.意匠特許権の保護範囲を確定する際に、使用状態参考図と変化状態製品の使用状態図を区別しなければならない。

使用状態参考図とは国務院特許行政部門が審査過程で簡単な説明に意匠製品の使用方法、用途または機能が書かなかった新開発の製品、または使用方法、用途または機能が不明確の製品を分類できない際に、この製品を正確に分類するために出願人に要求して提出された図面である。使用状態参考図は意匠の保護範囲の確定に用いられてはいけないが、製品の類別を確定する要因とすることができる。

変化状態製品の使用状態図は、製品意匠の保護範囲への確定根拠とすべき。

 

65.意匠特許権が色彩の保護を要求している場合、保護を求めている色彩を意匠の保護範囲を限定する要素の一つとしなければならない、即ち、侵害判定においては、その意匠に含まれる形状、模様、色彩及びそれらの組合せと被疑侵害製品の形状、模様、色彩及びそれらの組合せを総合的に対比しなければならない。

 

66.意匠特許権が色彩の保護を要求している場合、意匠の保護範囲の確定に用いられるように権利者は国務院特許行政部門が発行または認可した関係証拠を提出しなければならない。必要な場合、国務院特許行政部門の特許審査包袋にある色彩と照合しなければならない。

 

67.全体の視覚効果に影響を生じない製品のサイズ、材料、内部構成は、意匠特許権の保護範囲から排除されなければならない。

 

68.類似の意匠特許権の保護範囲は各個別の意匠によってそれぞれに確定する。基本設計と他の類似設計はともに意匠特許権の保護範囲の確定根拠とすることができる。

類似の意匠とは、同一の製品に対する複数の類似意匠に一つの意匠出願を提出して権利が付与された意匠を意味する。複数の類似意匠において、一つを指定して基本設計としなければならない。基本設計とある類似設計の間には同じまたは類似の設計特徴を有し、両者の区別点は局部の微妙な変化、この種類の製品の通常設計、設計ユニットが重複にアレンジされるまたは色彩要素の変化のみなどの状況にある。

 

69.セットした製品の全体の意匠とこのセットした意匠を構成する意匠のいずれもこの意匠の図面または写真ですでに表れた場合には、その特許権の保護範囲はこのセットした意匠を構成するすべての意匠またはこのセットした製品の全体の意匠によって確定する。

セットした製品の設計とは、同一の類別に用いられセットに販売または使用される製品の二項以上の意匠が、一つの意匠出願として提出され権利が付与された意匠を意味する。

 

四 意匠の侵害判定

 

70.意匠製品と同一または類似する種類の製品において、製品の登録意匠と同一または類似する意匠を採用すれば、被疑侵害意匠が登録意匠の保護範囲に含まれると認定しなければならない。

 

71.意匠の侵害判定において、登録された意匠の図面又は写真と被疑侵害意匠または被疑侵害製品を表した意匠の図面又は写真とを比較しなければならなく、権利者が提出した登録意匠製品の現物と被疑侵害製品とを比較してはいけない。ただし、この登録意匠製品の現物は登録公告で表した図面又は写真における意匠製品と完全に一致し、または権利者が国務院特許行政部門に意匠出願手続きでは図面また写真の内容をさらに了解するために要求されて提出したサンプルまたモデルと完全に一致し、各当事者に異議がない場合は例外とする。

 

72.意匠の侵害判定において、一般消費者の視覚によって直接な観察と対比を行わなければならなく、拡大鏡や顕微鏡など他の道具によって比較してはいけない。ただし、図面又は写真で表した意匠が出願される際に拡大された場合、侵害対比の際に被疑侵害製品も対応的に拡大されてから対比を行わなければならない。

 

73.意匠の侵害判定において、まず被疑侵害製品と意匠製品が同一または類似製品に属するか否かを審査しなければならない。

 

74.意匠製品の用途(使用目的、使用状態)によって製品の種類が同一または類似するか否かを認定しなければならない。

製品の用途を確定する際に、以下の順番に従って、関連要因を参照して総合的に確定する必要がある。意匠の説明、国際意匠分類表、製品の機能及び製品の販売、実際使用の情況などの要因。

 もし意匠製品と被疑侵害意匠製品の用途(使用目的、使用状態)と共通性がなければ、意匠製品と被疑侵害意匠製品が同一または類似製品に属さない。

 

75.意匠特許権の侵害判定を行う場合、同一又は類似するか否かを基準にしなければならなく、一般消費者の混淆と誤認となるか否かを基準にしてはならない。

 

76.意匠製品の一般消費者の知識レベルと認知能力によって意匠が同一または類似するか否かを判断しなければならなく、意匠分野に属する当業者の観察能力を基準にしてはならない。

 

77.一般消費者とは、仮想の人間であり、知識レベルと認知能力の両方から定義しなければならない。

一般消費者の知識レベルとは、このひとは意匠出願日の前に同一の種類または類似種類の製品の意匠及び常用の設計方法に対して常識的な理解を有する。

一般消費者の認知能力とは、このひとは意匠製品の間の形状、模様及び色彩における区別に対してある程度の分別能力を有するが、製品の形状、模様及び色彩の微小の変化に注意を払わない。

意匠製品の一般消費者の知識レベルと認知能力に対して、具体的な定義を行う際に、具体的な意匠製品に向けて、出願日の前にこの意匠製品の設計の発展過程も考慮しなければならない。

 

78.意匠が同一又は類似するか否かを判定する場合、意匠創作者の主観的な考えを基準にしてはいけなく、一般の消費者の視覚効果を基準しなければならない。

 

79.意匠が同一又は類似するか否かを判定する際に、全体の観察、総合の判断を原則として、すなわち特許意匠、被疑侵害製品の見える部分の全部の設計特徴に対して観察を行い、製品の意匠の全体の視覚効果に影響があるすべての要因に対して総合的に考慮してから判断を行うはずである。

 以下の状況は通常に意匠の全体の視覚効果に影響をさらに有する。

(1)    製品が通常に使用される際に容易に直接に観察される部位が他の部位に対する。

(2)    意匠が従来の意匠と区別する意匠特徴が意匠の他の意匠特徴に対する。

 

80.被疑侵害製品と登録意匠とが全体の視覚効果に差異がない場合には、両者が同一であると認定しなければならないが、全体の視覚効果に実質的な差異がない場合には、両者が類似すると認定しなければならない。具体的にいうと、

 ()両者の形状、模様、色彩等全体の視覚効果に差異がなければ、両者が同一であると認定しなければならない。

 () 両者の形状、模様、色彩等全体の視覚効果が完全に同じわけではなく、明らかな差異がなければ、両者が類似すると認定しなければならない。

 () 両者の形状、模様、色彩等全体の視覚効果が異なり、明らかな差異があれば、両者が同一でもなく類似でもないと認定しなければならない。

 

81.同一または類似を判断する際に、製品の機能、技術効果による設計特徴が考慮されない。

製品の機能、技術効果による技術特徴とは、製品の機能、技術効果を実現する有限または唯一の設計を意味する。

 

82.立体製品の意匠に対して、通常には形状は全体の視覚効果にもっと影響があり、同一または類似の判断を行う際に、形状をポイントとしなければならない。ただし、その形状が慣用の設計に属すれば、模様、色彩は全体の視覚効果にもっと影響がある。

慣用の設計とは、従来の意匠における一般の消費者に知られ、製品の名称が言われたら思い出される対応設計を意味する。

 

83.平面製品の意匠に対して、通常には模様、色彩は全体の視覚効果にもっと影響があり、同一または類似の判断を行う際に、模様、色彩をポイントとしなければならない。

 

84.色彩の保護を求める意匠に対して、その意匠が慣用の設計に属するかを先に確定しなければならない。もし慣用である場合、その模様、色彩のみについて判定しなければならない。形状、模様、色彩が全て新規である場合、形状、模様、色彩の三つの組み合わせをしたものに対して、判定しなければならない。

 

85.不透明な材料を透明な材料に置換し、または透明な材料を不透明な材料に置換し、材料特徴の変換だけに属し、製品の意匠に明らかな変化をさせていない場合、意匠が同一又は類似するか否かを判定する際に、考慮されない。ただし、透明材料がこの商品の意匠に美感を変化させて、一般消費者がこの商品の全体に視覚を変化させた場合、考慮しなければならない。

被疑侵害製品が不透明な材料を透明な材料に置換し、透明な材料より製品の内部の構成を観察できれば、内部の構成がこの製品の意匠の一部分となると見なさなければならない。

 

86.権利者、被疑侵害者の意匠がともに権利付与され、権利者の意匠の出願日が被疑侵害者の意匠の出願日より早く、被疑侵害者の意匠と権利者の意匠とは同一または類似する場合、被疑侵害者がその登録意匠を実施する行為は先の意匠特許権を侵害したと認定することができる。

 

五.他の特許侵害行為の認定

 

(一)特許侵害行為

87.特許また実用新案に権利が付与された後に、特許法に別の規定がある場合を除いて、いかなる団体また個人が権利者の許可を得なければ、その特許を実施してはいけなく、即ち、生産営業を目的として特許製品を製造、使用、承諾販売、販売、輸入してはならない、またはその特許方法を使用し及びその特許方法により直接に得られた製品を使用、承諾販売、販売、輸入してはいけない。

 意匠特許権が付与された後に、いかなる団体また個人が権利者の許可を得なければ、その意匠を実施してはいけなく、即ち、生産営業を目的としてその意匠製品を製造、販売、輸入してはいけない。

 

88.特許の公開日及び実用新案、意匠の権利付与の公告日の前の実施行為は、特許権の侵害行為に属さない。

 特許の公開日から権利付与の公告日までの間、即ち特許権の一時保護期間内に、この特許を実施する団体また個人が権利者に適当な使用費用を支払わなければならない。その実施行為に対する判定は、関連特許権侵害の法律規定を参照する。

 特許出願日の時に出願人が請求した保護範囲と権利付与公告の時に特許権の保護範囲とは一致ではなく、被疑侵害技術案がともに以上の二つの保護範囲に含まれた場合、被疑侵害者が一時保護期間内にこの発明を実施したと認定しなければならない。被疑技術案がその一つの保護範囲のみに含まれた場合、被疑侵害者が一時保護期間内にこの発明を実施しなかったと認定しなければならない。

 

89.特許また実用新案製品の製造とは、請求項に記載した製品の技術案が実現され、製品の数、品質及び製造方法は製造行為の認定に影響しないことである。

 以下の行為は特許また実用新案製品を製造する行為を認定しなければならない。

(1)異なる製造方法によって製品を製造する行為、方法にて限定された製品の請求項が例外とする。

(2)他人に製造を委託する、又は製品に「監督生産」と表示するなどの類似の関与行為。

(3)部品を特許製品に組み立てた行為。

 

90.意匠製品の製造とは、権利者が国務院特許行政部門に意匠出願の際に、提出した図面また写真におけるこの意匠が実現されることを指す。

 

91.特許また実用新案製品の使用とは、請求項に記載した製品の技術案の技術機能が応用されることを指す。

 

92.特許また実用新案特許権を侵害した製品を部品また中間製品として、他の製品を製造する場合、特許製品の使用と認定しなければならない。

 

93.特許方法の使用とは、請求項に記載した特許方法の技術案の各ステップがすべて実現されることを指す。当該方法を使用した結果は特許権の侵害の認定に影響しない。

 

94.意匠製品の使用とは、この意匠製品の機能、技術性が応用されることを指す。

 意匠権利者の禁止権が他人に意匠製品の使用を禁止する権利を含まない。

 

95.他人の権利を侵害した製品をレンタルに用いる場合、(特許・実用新案・意匠)権利製品の使用と認定しなければならない。

 

96.特許・実用新案製品の販売とは、特許・実用新案権の保護範囲に含まれた被疑侵害製品の所有権、また特許方法により直接に得られた製品の所有権、また登録意匠製品の所有権を売主から買主に有償で移転することである。

 抱き合わせ販売また他の方式によって上記製品の所有権を移転し、偽装的にビジネスの利益を得る場合、この製品の販売に属する。

 

97.特許また実用新案特許権を侵害した製品を部品また中間製品として、他の製品を製造し、当該他の製品を販売する場合、権利製品の販売と認定しなければならない。

意匠特許権を侵害した製品を部品として、他の製品を製造して販売する場合、意匠特許製品の販売行為と認定しなければならない、ただし、意匠特許権を侵害した製品が他の製品で技術機能しかない場合を例外とする。

 技術機能しかないとは、この部品は最終製品の内部構造に構成され、最終製品の通常使用では視覚効果が生じず、技術機能の役割を果たしない。

 

98.他人の特許権製品を販売する行為が実際に発生する前に、被疑侵害者が他人の特許権を侵害する製品を販売する意思表示を示す場合、承諾販売になる。

広告、商店のショーウインドーに陳列、インターネットまた展示会で展示等の方式で他人の特許権を侵害した製品を販売する意思表示を示す場合、承諾販売と認定される。

 

99.特許製品の輸入とは、製品の請求項の保護範囲に含まれた製品、特許方法により直接に製造された製品または登録意匠製品を空間上の境界を越えて域外から域内に運び入れることを指す。

 

100.方法特許が製品に及ぶとは、製品の製造方法の発明に特許権が付与された後、如何なる単位又は個人も特許権者の許可を得ずに、生産経営の目的としてその特許方法を使用してはならず、さらに生産経営の目的としてその特許方法にて直接に得られた製品を使用、承諾販売、販売、輸入してはいけないことを指す。

 

101.特許方法にて直接に得られた製品とは、原材料、物を請求項に記載した特許方法の技術案の各ステップのすべてにて処理と加工を行い、原材料、物が構成または物理化学の特性に明らかな変化をさせた後に得られた原始製品を指す。

 上記の原始製品をさらに加工、処理してから得られた後続製品、即ちこの原始製品を中間部品または原材料として加工、処理して他の後続製品は、この特許方法にて直接に得られた製品に属すると認定しなければならない。この後続製品に対してさらに加工、処理する場合、特許方法にて直接製品を得る行為に属さない。

 

102.特許法第六十一条が規定した新製品とは、国内外で最初に製造された製品であり、その製品が特許出願前に既にあった同類の製品と比較して、製品の組成、構造、又はその質、性能、機能の面で明らかなに異なるものである。

 製品また製品を製造する技術案が特許出願前に国内外の公衆に知られる場合、この製品は特許法が規定した新製品に属さないと認定しなければならない。

 新製品に属するか否かは、権利者から証拠を挙げることにより証明しなければならない。権利者が証拠を提出して一応的にこの製品は特許法が規定した新製品に属することを証明した場合、証拠を挙げるという責任を尽したと見なす。

 

103.同様製品とは、被疑侵害製品と新製品製造方法の実施により直接得られた原始製品との形状、構造また成分などは実質的な差異がないことを指す。

 同様製品に属するか否かは、権利者から証拠を挙げることにより証明しなければならない。

 

104.用途特許に対して、権利者は被疑侵害者が被疑侵害製品を製造、使用、販売、承諾販売、輸入することがこの特許の特定用途に用いられることを証明しなければならない。

 

(二)共同侵害行為

105.二人以上が特許法における第十一条に規定した行為を実施し、また二人以上が分担協力して、共同に特許法における第十一条に規定した行為を実施する場合、共同侵害となる。

 

106.他人を教唆し、助けて特許法における第十一条に規定した行為を実施する場合、実施者とともに共同侵害者となる。

 

107.特許権を侵害した製品を部品として、他の製品を製造して販売する場合、被疑侵害者が分担協力するようになると、共同侵害となる。

 

108.専ら他人の製品特許を実施するための材料、専用設備または部品を提供、販売または輸入し、または専ら他人の方法特許を実施するための材料、部品または専用設備を提供、販売また輸入する場合、上記行為者は実施者とともに共同侵害者となる。

 

109.他人が特許法における第十一条に規定した行為を実施するために場所、在庫、運送などに便利条件を提供した場合、実施者とともに共同侵害者となる。

 

110.技術譲渡契約の譲受人が契約の約束に沿って技術を譲り受けて実施し、他人の特許権を侵害した場合、譲受人にて責任を負う。

 

六、特許権侵害における抗弁

 

(一)特許権効力の抗弁

111.被疑侵害者は特許権が既に保護期間が過ぎているか、既に権利者によって放棄され、既に有効法律文書によって無効されたことにより抗弁を行った場合、相応の証拠を提出しなければならない。

 

112.特許権侵害訴訟では、被疑侵害者は特許権が権利付与条件に満たず、無効されるべきことにより抗弁を行った場合、その無効請求は特許複審委員会に提出しなければならない。

 

(二)特許権濫用の抗弁

113.被疑侵害者は権利者が悪意で特許権を取得し特許権を濫用することにより抗弁を行った場合、相応の証拠を提出しなければならない。

特許権侵害訴訟では、特許権が無効審決された場合には、勝手に特許権濫用と認定してはいけない。

 

114.悪意で特許権を取得したということは、特許保護を取得するはずはないことを明らかに知っていたにも拘わらず、その発明創造に故意に法律を逃れ又は不正な手段で特許権を取得させることであり、その目的が不当利益又は他人の正当な実施行為を制止することにある。

以下の状況が悪意と認定される。

(1)    出願日の前に既存した国家の標準、業界の標準など技術標準を特許出願させて権利が付与された場合。

(2)    ある地域でよく製造または使用される製品を明らかに知っていたにもかかわらず、特許出願させて権利が付与された場合。

 

(三)不侵害の抗弁

115.被疑侵害品(製品又は方法)の技術特徴は請求項に記載したすべての技術特徴と比較して、請求項に記載した一つ又は一つ以上の技術特徴を欠いている場合、特許権侵害とはならない。

 

116.被疑侵害品(製品又は方法)の技術特徴は請求項の対応する技術特徴と比較して、一つ又は一つ以上の技術特徴と同一でもなく均等でもない場合、特許権とはならない。

本条第一項に称する技術特徴の同一でもなく均等でもないとは、

(1)この技術特徴が被疑侵害品(製品又は方法)に新しい技術案を構成させる。

(2)この技術特徴が機能及び効果において、明らかに請求項の対応する技術特徴より優れ、当業者はこのような変更が実質的な改善であり、容易に想到しない。

 

117.被疑侵害品(製品又は方法)が請求項における個別の技術特徴を省略するまたは簡単またレベル低い技術特徴により請求項における対応技術特徴を置換して、請求項におけるこの技術特徴と対応する性能と効果を廃棄しまたは明らかに低減させ、劣る技術案を形成させる場合、特許権侵害とはならない。

 

118.すべての団体または個人が非生産営利目的で製造、使用、輸入特許品の場合、特許権侵害とはならない。

 

(四)侵害と見なされないの抗弁

119.特許品または特許方法により直接に得た製品が、権利者又は特許権者の許可を経た団体、個人に販売された後、その製品を使用、承諾販売、販売、輸入する場合、以下を含み、特許権侵害と見なさない。

()権利者又は権利者の被許可者は中国国境内で特許品または特許方法により直接に得た製品を販売した後、購入者が中国国境内でその製品を使用、承諾販売、販売する。

(2)権利者又は権利者の被許可者は中国国境外で特許品または特許方法により直接に得た製品を販売した後、購入者がその製品を中国国境内に輸入して中国国境内でその製品を使用、承諾販売、販売する。

() 権利者又は権利者の被許可者は特許品の専用部品を販売した後に、その部品を使用、承諾販売、販売するまたはそれを組み合わせて特許製品を製造する。

(4)方法特許の権利者又は権利者の被許可者はその特許方法を実施するために用いられるのみの設備を販売した後に、その設備を使用してその方法特許を実施する。

 

120.特許出願日の前にすでに同じ製品を製造した、同じ方法を使用したまたはすでに製造、使用の必要な準備ができあがり、元の範囲内で続いて製造、使用する場合、特許権侵害と見なさない。

上記の状況で製造した特許製品または特許方法により直接に得た製品を使用、承諾販売、販売する場合にも、特許権侵害と見なさない。

 

121.先使用権を享有できる条件は:

() 製造、使用に必要な準備が完成しておいた。実施発明に必要な技術図面及び工程文書を既に完成し、または発明に必要なメインの設備また原材料を既に製造また購入したことである。

 ()元の範囲内で製造、使用を継続する。元の範囲内は、特許出願日前にすでにできた生産規模およびすでにできた生産設備による生産規模を含む。元の範囲を超えた製造、使用する行為は、特許権侵害となる。

()先に製造した製品又は先に使用した方法は、先使用権者自身が独自に研究完成したもの又は合法的な手段にて得たものであり、特許出願前に盗作、剽窃、又はその他の不正な手段で得たものではない。被疑侵害者が違法に得た技術また設計にて先使用権の抗弁を主張する場合、支持してはいけない。

()先使用権者は自己が先に実施した技術につき、所属企業と共に譲渡する以外に、譲渡することができない。即ち、先使用権者は出願日の後にすでに実施したまたは実施に必要な準備ができた技術または設計を譲渡し、また他人の実施に許可し、被疑侵害者はこの実施行為が元の範囲で続いて実施したことに属すると主張した場合、支持してはいけない。ただし、この技術と元の企業と共に譲渡する場合は例外とする。

 

122.中国の領土、領海、領空を一時的に通過する外国の輸送体において、それが属する国が中国と締結した協定、又は共に加盟している国際条約、又は互恵の原則に従って、輸送体自体の必要に応えてその輸送体の装置及び設備に関係特許を使用する行為は、特許権侵害とみなされない。

但し、一時に通過においては、交通輸送体で特許製品を「中継輸送」するのに用いられること、即ちある交通運送体から別の交通運送体に移す行為を含まれない。

 

123.専ら科学研究及び実験のために、関係特許を使用する行為は、特許権侵害と見なさない。

専ら科学研究及び実験のためとは、特許技術案自身に向けて行われた科学研究と実験であることを指す。

特許技術案自身に向けて行われた科学研究、実験と科学研究、実験中に特許技術案を使用することを区別しなければならない。

(1)特許技術案自身に向けて行われた科学研究と実験は、他人の特許技術を研究、検証、改善して、既存する特許技術を基礎に新しい技術成果を生むことを目的とする。

(2)科学研究及び実験過程で特許技術を使用することは、他人の特許技術の研究、改善を目的とせず、特許技術案を手段として他の技術への研究実験を行い、または技術案実施へのビジネス上の将来性を研究するなど、その結果が特許技術と直接関係がない行為である。この行為が特許権侵害となる。

 本条第一項における関連特許を使用する行為は、この研究実験者が関連特許製品を自ら製造、使用、輸入し、または特許方法を使用する行為を含み、他人がこの研究実験者のために関連特許製品を製造、輸入する行為も含む。

 

124.行政審査が要求された情報を提供するため、特許薬品または特許医療機械を製造、使用、輸入し、及び専ら特許薬または特許医療機械を製造、使用、輸入する場合、特許権侵害とはならない。

行政審査が要求された情報とは、「中国人民共和国薬品管理法」、「中国人民共和国薬品管理法実施条例」及び「薬品登録管理方法」など関連する薬品管理法律法規、部門ルールなどによる実験資料、研究報告、技術文献などの関連材料である。

 

(五)従来技術の抗弁及従来設計の抗弁

125.従来技術の抗弁とは、特許権の保護範囲に含まれたすべての被疑技術特徴は、一つの従来の技術案における対応技術特徴と同じまたは均等である場合、または当業者は被疑侵害品(製品又は方法)が従来技術と当該分野の公知常識との簡単な組み合わせであると思われる場合、被疑侵害者が実施した技術は従来技術に属し、被疑侵害者の行為は特許権を侵害しないと認定しなければならない。

 

126.従来技術とは、出願日の前に国内外で公衆に知られる技術である。2008年に改正された特許法が実施される前の特許法の規定によって出願、権利付与された特許権に対して、その従来技術は前の特許法の規定によって確定しなければならない。

 

127.抵触出願が従来技術に属さないため、従来技術の抗弁理由としてはいけない。ただし、被疑侵害者は実施されたのが抵触出願の特許に属すると主張する場合、本マニュアルの第125条における従来技術抗弁の規定を参照して処理してもよい。

 抵触出願とは、いかなる団体または個人が権利者の発明と同じな発明につき、出願日前に国務院特許行政部門に出願されて出願日後に公開された特許出願書類又は公告された特許書類に記載される特許出願である。

 

128.従来設計の抗弁とは、被疑侵害製品の意匠は一つの従来設計と同じまたは均等であり、または被疑侵害製品の意匠が従来設計とこの製品の通常設計との簡単な組み合わせである場合、被疑侵害製品の意匠が従来設計となり、被疑侵害者の行為が登録意匠侵害とはならない。

 

129.従来設計とは出願日の前に国内外で公衆に知られる設計であり、国内外で出版物の形式で公開されおよび使用などの方式で公開された設計が含まれる。ただし、2008年に改正された特許法が実施される前の特許法の規定により出願して権利付与された意匠に対して、その従来設計は前の特許法の規定によって確定しなければならない。

 

130.被疑侵害者は従来設計が実施されることにより抗弁を行う場合、権利侵害訴訟では主張しなけばならなくて、かつ従来設計の関連証拠を提供しなければならない。

 

131.被疑侵害者は従来設計が実施されることにより抗弁を行う場合、被疑侵害製品の意匠が従来設計と同じまたは類似するか否かを判断しなければならなく、登録意匠と従来設計とを対比してはいけない。

 

132.被疑侵害者は実施されたのが抵触出願の意匠であると主張する場合、被疑侵害製品の意匠と抵触出願とを対比しなければならない。被疑侵害製品の意匠と抵触出願とは同じまたは類似する場合、被疑侵害者の行為が意匠の特許権侵害とはならない。

 

(六)合理な出所の抗弁

133.生産営業の目的として、権利者の許可がないことが知らなくて、製造され販売される特許製品または特許の方法により直接に得た製品をを使用、承諾販売また販売する行為は、特許権侵害行為となる。

 使用者また販売者はその製品に合法な出所があることを証明できる場合、賠償の責任を負わないが、特許権侵害を停止するという法律責任を負わなければならない。

 合法な出所とは、使用者また販売者は合法的な入荷ルートから、合理な価格で被疑侵害製品を購入し、関連領収書を提供することを指す。

             

 

北京市高級人民法院

               201394