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中国商標法実施実例

第一章 総則

第1条

商標管理を強化し、商標専用権を保護し、生産者、経営者が商品と役務の品質を保証することを促がし、商標の信用を維持し保護することにより消費者、生産者と経営者の利益を保障し、社会主義市場経済の発展を促進することを目的として、本法を制定する。

第2条

国務院工商行政管理機関商標局は、全国の商標登録及び管理業務を主管する。

国務院工商行政管理機関は、商標評審委員会を設置し、商標紛争に係わる事項を処理することに責任を負う。

第3条

商標局の審査を経て登録された商標を登録商標という。登録商標は商品商標、役務商標及び団体商標、証明商標からなる。商標登録者は商標専用権を享有し、法律上保護される。

本法にいう団体商標とは、団体、協会若しくはその他の組織の名義で登録され、当該組織のメンバーに商業活動の使用に供し、これを使用する者が当該組織のメンバー資格を表する標章のことを言う。

本法でいう証明商標とは、ある特定の商品若しくは役務に対して監督能力を有する組織に管理され、かつ当該組織以外の単位若しくは個人にその商品若しくは役務について使用され、当該商品若しくは役務の原産地、原材料、製造方法、品質またはその他特定な品質を証明するために用いられる標章をいう。

団体商標、証明商標の登録、管理に関する特別事項は国務院工商行政管理機関が規定する。

第4条<br> 自然人、法人若しくはその他の組織は、その生産、製造、加工、選定若しくは販売する商品について商標専用権を取得する必要がある場合、商標局に商品の商標登録を出願しなければならない。

自然人、法人若しくはその他の組織は、その提供する役務について商標専用権を取得する必要がある場合、商標局に役務商標の登録を出願しなければならない。

本法において商品商標に関する規定は役務商標に適用する。

第5条

二以上の自然人、法人若しくはその他の組織は、商標局に同一の商標を共同で出願し、共同で当該商標権を享有し、行使することができる。

第6条

国により登録商標を使用しなければならないと規定された商品については、商標登録出願をしなければならず、登録が未だ認可されていない場合、商品を市場で販売してはならない。

第7条

商標使用者は、その商標を使用する商品の品質に責任を負う。各クラスの工商行政管理機関は、商標管理を通じて消費者を欺瞞する行為を制止しなければならない。

第8条

文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状及び色彩の組合せ、並びにこれらの要素の組合せを含み、自然人、法人若しくはその他の組織の商品を他人の商品と区別できるいかなる視覚的な標章は、商標として登録を出願することができる。

第9条

登録出願をする商標は、顕著な特徴を有し、容易に識別でき、かつ他人の先に取得した合法的権利と抵触してはならない。

商標登録者は「登録商標」または登録標記を明示する権利を有する。

第10条

次に掲げる標章は、商標として使用してはならない。

()中華人民共和国の国名、国旗、国章、軍旗、勲章と同一若しくは類似のもの、中央国家機関所在地の特定地名若しくは象徴的な建築物の名称、図形と同一のもの、

()外国の国名、国旗、国章、軍旗と同一若しくは類似のもの、但し当該国政府の承諾を得ている場合はこの限りではない、

()政府間国際機構の名称、旗、徽章と同一若しくは類似のもの、但し同組織の承諾を得ているもの、若しくは公衆に誤認を生じさせない場合はこの限りではない、

()管理・保証を表する政府の標章、若しくは検査印と同一若しくは類似のもの、但し、その授権を得ている場合はこの限りではない、

() (5)「赤十字」、「赤新月」の名称、標章と同一若しくは類似のもの、

() 民族差別扱いの性格を有するもの、

() 誇大に宣伝しかつ欺瞞性を有するもの、

() 社会主義道徳、風習を害し、若しくはその他公序良俗に反するもの。

県クラス以上の行政区画の地名若しくは公知の外国地名は、商標とすることができない。

但し、その地名が別の意味を持ち若しくは団体商標、証明商標の一部とする場合はこの限りではない。地理的表示を使用し、既に登録された商標は、引き続き有効である。

第11条

以下に掲げる標章は、商標登録ができないものとする。

() 当該商品の通用名称、図形、規格のみしか有しないもの、

() 商品の品質、主要原材料、効能、用途、重量、数量及びその他特徴を直接表示するのみしかないもの、

() 顕著な特徴に欠けるもの。

前項に掲げる標章は、使用により顕著な特徴を生じており、かつ識別しやすいものである場合、商標として登録することができる。

第12条

立体的形状を以って商標登録を出願する場合、単にその商品自体の性質により生じた形状、技術的効果を得るために必然的な形状、若しくはその商品に実質的な価値を齎す形状は登録しない。

第13条

同一若しくは類似の商品について出願した商標は、中国に登録されていない他人の馳名商標を複製、模倣若しくは翻訳したものであって、混同させる虞がある場合、その登録を拒絶し、かつその使用を禁じる。

非同一若しくは非類似の商品について出願した商標は、既に中国で登録された他人の馳名商標を複製、模倣若しくは翻訳したものであり、公衆をミスリードして当該馳名商標登録者の利益に損害を与える虞がある場合、その登録を拒絶し、かつその使用を禁じる。

第14条

馳名商標の認定は、以下の要素を考慮しなければならない。

() 関連公衆の当該商標に対する認知度、

() 当該商標の継続使用の期間、

() 当該商標のあらゆる宣伝活動の継続期間、程度及び地理的範囲、

() 当該商標の馳名商標として保護された記録、

() 当該商標の周知であるその他要因。

第15条

代理人若しくは代表者が委任されておらず、自らの名義で被代理人若しくは被代表者の商標について出願を行い、被代理人若しくは被代表者が異議を申し立てた場合は、その登録を拒絶し、かつその使用を禁じる。

第16条

地理的表示を含んた商標は、その商品が当該表示に示された地域に由来せず、公衆をミスリードした場合、登録を拒絶し、かつその使用を禁じる。但し、既に善意に登録されたものは引き続き有効である。

前項にいう地理的表示とは、商品がその地域に由来することを示し、当該商品の特定の品質、信用若しくはその他特徴は、主に当該地域の自然的要素及び人文的要素によって定められたものをいう。

第17条

外国人或いは外国企業が中国において商標登録を出願する場合、その所属国が中華人民共和国と締結した協定、若しくは共同で参加した国際条約、または対等原則に従って取り扱う。

第18条

外国人或いは外国企業は中国において商標登録を出願し、またはその他商標関連事項を処理する場合、国に認められた商標代理資格を有する代理組織に委託しなければならない。

 

第二章 商標の出願

第19条

商標登録を出願する場合、定められた商品区分表に基づき商標を使用する商品区分及び商品名称を記載しなければならない。

第20条

商標登録出願人は異なる区分の商品について同一の商標登録を出願する場合、商品区分表に従い出願を提出しなければならない。

第21条

登録商標を同一区分のその他商品に使用する必要がある場合、別途出願を提出しなければならない。

第22条

登録商標は標章を変更する必要がある場合、新規出願を提出しなければならない。

第23条

登録商標は登録者の名義、住所若しくはその他の登録事項を変更する必要がある場合、変更請求を提出しなければならない。

第24条

商標登録出願人は、その商標を外国で初めて出願を提出した日から6ヶ月以内に中国において同一商品について同一の商標登録出願を提出する場合、当該国と中国が締結した協定若しくは共同参加した国際条約、または相互に優先権を承認する原則に従い、優先権を享受することができる。

前項の規定に基き優先権を主張する場合、商標登録出願を提出する時に書面説明を提出しかつ3ヶ月以内に、初めて出願にかかる商標登録出願書類の副本を提出しなければならない。書面説明を提出せずまたは期間を経過しても商標登録出願書類の副本を提出しない場合、優先権主張が未提出とみなす。

第25条

商標は中国政府が主催し若しくは承認した国際展示会に出展した商品で始めて使用された場合、当該商品が出展された日から6ヶ月以内に、当該商標の出願人は優先権を享受することができる。

前項に基き優先権を主張する場合、商標登録出願を提出する時に書面説明を提出し、かつ3ヶ月以内にその商品を出展した展示会の名称、出展された商品に当該商標を使用した証拠、出展期日など証明書類を提出しなければならない。書面説明を提出せず若しくは期間を経過しても証明書類を提出しない場合、優先権主張が未提出とみなす。

第26条

商標登録出願に申請・説明した事項及び提出した資料は、真実、正確、完全なものでなければならない。

 

第三章 商標登録の審査と認可

第27条

登録を出願する商標は、本法の関係規定に符合する場合、商標局がこれを初歩査定して公告する。

第28条

登録を出願する商標は、本法の関係規定に符合せず、または他人の同一商品若しくは類似商品について既に登録され或いは初歩査定された商標と同一若しくは類似の場合、商標局はこれを拒絶して公告しない。

第29条

二若しくは二以上の商標登録出願人が、同一商品若しくは類似商品について、同一商標若しくは類似商標の登録を出願する場合、先に出願した商標を初歩査定して公告する。同日出願の場合、先に使用された商標を初歩査定して公告し、他方の出願を拒絶して公告しない。

第30条

初歩査定された商標について、公告日から3ヵ月以内に、何人も異議を申し立てることができる。期間を経過しても異議申立がない場合、登録を認可して商標登録証書を交付し、かつこれを公告する。

第31条

商標登録出願は先に存在する他人の権利を侵害してはならない。他人が先に使用した一定の影響力のある商標を不正な手段で抜け駆け登録してはならない。

第32条

登録出願を拒絶し公告しない商標については、商標局は商標登録出願人に書面を以って通知しなければならない。商標登録出願人は不服がある場合、通知を受領した日から15日以内に、商標評審委員会に不服審判を請求することができ、商標評審委員会は審決を下し、かつ出願人に書面を以って通知する。

当事者は商標評審委員会の審決に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に裁判所に訴訟を提起することができる。

第33条

初歩査定され公告された商標に対して異議申立が提出された場合、商標局は異議申立人及び被異議申立人が陳述した事実及び理由を聴取し、調査を経て事実を確認した後、決定を下さなければならない。当事者は不服がある場合、通知を受領した日から15日以内に、商標評審委員会に不服審判を請求することができ、商標評審委員会は審決を下し、かつ異議申立人及び被異議申立人に書面を以って通知する。

当事者は商標評審委員会の審決に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に裁判所に訴訟を提起することができる。裁判所は、商標不服審判手続きにおける相手方当事者に、第三者として訴訟に参加するよう通知しなければならない。

第34条

当事者が法律で定めた期限内に商標局の下した決定に対して不服審判を請求せず、または商標評審委員会の下した審決に対して裁判所に起訴しなかった場合、当該決定または審決は発効する。

審査を経て異議が成立しない場合、登録を認可し、商標登録証書を発行してこれを公告する。審査を経て異議が成立した場合は、登録を認可しない。

審査を経て異議が成立せず登録を認可された場合、商標登録出願人が商標専用権を取得する期日は、初歩査定が公告してから3ヶ月満了した日から起算する。

第35条

商標の出願及び審判の請求は早めに審査を行わなければならない。

第36条

商標登録出願人若しくは商標登録者は、商標登録出願書類若しくは登録書類に明らかな誤りを発見した場合、訂正を申請することができる。商標局は法律に基づき、職権の範囲内で訂正し、かつ当事者に通知する。

前項にいう誤りの訂正は、商標登録出願書類若しくは登録書類の実質的な内容に係わらないものとする。

 

第四章 登録商標の更新、譲渡及び使用許諾

第37条

登録商標は有効期間が10 年とし、登録が認可された日から起算する。

第38条

登録商標の存続期間が満了し、引き続き使用する必要がある場合、期間満了前6ヵ月以内に更新を申請しなければならない。この期間内に申請できなかった場合、6ヶ月の延期を与えることができる。延期期間が経過してもまだ申請しない場合は、当該登録商標を抹消する。

更新した商標の有効期間は毎回10 年とする。

更新を認可した後、これを公告する。

第39条

登録商標を譲渡する場合、譲渡人と譲受人は譲渡契約を締結し、かつ共同で商標局に申請を提出しなければならない。譲受人はその登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。

登録商標の譲渡は、認可された後にこれを公告する。譲受人は公告される日から商標専用権を享有する。

第40条

商標登録者は商標使用許諾契約を通して他人に登録商標の使用を許諾することができる。許諾者は被許諾者の登録商標を使用する商品の品質を監督しなければならない。被許諾者はその登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。

他人の登録商標の使用が許諾された場合、その登録商標を使用する商品に被許諾者の名称及び商品の生産地を明記しなければならない。

商標使用許諾契約は商標局に届出なければならない。

 

第五章 登録商標争議の審決

第41条

既に登録された商標が本法第10条、第11条、第12条の規定に違反した場合、若しくは欺瞞的な手段或いはその他の不正な手段で登録した場合は、商標局は登録商標を取消す。ほかの単位または個人は、商標評審委員会に登録商標取消審判を請求することができる。

既に登録された商標が本法第13条、第15条、第16条、第31条の規定に違反した場合、商標の登録日から5年以内に、商標所有者若しくは利害関係者は商標評審委員会に登録商標取消審判を請求することができる。悪意による登録に対しては、馳名商標の所有者が5 年の期間制限を受けない。

上記二項に規定された状況の外、既に登録された商標に対して争議がある場合、当該商標の登録が認可された日から5年以内に、商標評審委員会に審判請求をすることができる。

商標評審委員会は審判請求を受理した後、答弁期限を規定して関係当事者に通知しなければならない。

第42条

登録が認可される前、異議申立が提出されかつ決定が下された商標に対して、同一の事実と理由でまた審判を請求してはならない。

第43条

商標評審委員会は、登録商標の維持若しくは取消の審決を下した後、関係当事者に書面を以って通知しなければならない。

当事者は商標評審委員会の審決に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に裁判所に訴訟を提起することができる。裁判所は商標の審判手続きにおける相手側当事者に、第三者として訴訟に参加するよう通知しなければならない。

 

第六章 商標使用の管理

第44条

登録商標の使用について、以下に掲げる行為がある場合、商標局は期限を規定して是正を命じ若しくはその登録商標を取消す。

() 登録商標を無断に変更した場合、

() 商標登録者の名義、住所若しくはその他の登録事項を無断に変更した場合、

() 登録商標を無断に譲渡した場合、

() 3 年間継続して使用しない場合。

第45条

登録商標を使用し、その商品が粗製濫造で、品質を偽り、消費者を欺瞞した場合、各クラスの工商行政管理機関は、情状に応じて、期限を規定して是正を命じることができ、合わせて通達し若しくは罰金を科し、または商標局がその登録商標を取消すことができる。

第46条

登録商標が取消され或いは期間満了して更新しない場合、取消若しくは消滅した日から1年以内に、商標局はその商標と同一若しくは類似の商標の登録出願を認可しない。

第47条

本法第6条の規定に違反した場合、地方工商行政管理機関は期限を規定して出願を命じ、かつ罰金を科すことができる。

第48条

未登録商標を使用して、以下に掲げる行為があった場合、地方工商行政管理機関は当該行為を禁止し、期限を規定して是正させ、かつ通達し若しくは罰金を科すことができる。

(一)登録商標と偽った場合、

(二)本法第10条の規定に違反した場合、

(三)粗製濫造し、品質を偽り、消費者を欺瞞した場合。

第49条

商標局の登録商標取消決定について、当事者は不服がある場合、通知を受領した日から15日以内に商標評審委員会に不服審判を請求することができ、商標評審委員会は審決を下し、請求人に書面を以って通知する。

当事者は商標評審委員会の審決に不服がある場合、通知を受領した日から30日以内に、裁判所に訴訟を提起することができる。

第50条

工商行政管理機関が本法第45条、第47条、第48条の規定に基づいて下した罰金の決定に対して、当事者は不服がある場合、通知を受領した日から15日以内に裁判所に訴訟を提起することができる。期間内に起訴せずかつ決定を履行しない場合、関係工商行政管理機関は裁判所に強制執行を請求する。

 

第七章 登録商標専用権の保護

第51条

登録商標専用権は、登録を認可された商標及び指定商品に限る。

第52条

以下に掲げる行為の一つがある場合、何れも登録商標専用権侵害に該当する。

() 商標登録者の許諾を得ず、同一若しくは類似商品についてその登録商標と同一又は類似の商標を使用した場合、

() 登録商標専用権を侵害する商品を販売した場合、

() 他人の登録商標の標章を偽造し、或いは無断で製造した場合、もしくは偽造、無断製造された登録商標の標章を販売した場合、

() 商標登録者の許諾を得ず、商品に使用されている登録商標を入れ替え、かつ商標が入れ替えられた当該商品を再び市場に投入した場合、

() 他人の登録商標専用権にその他損害を与えた場合。

第53条

本法第52条に規定した登録商標専用権を侵害する行為があって、紛争が発生した場合、当事者は協議により解決する。協議の意欲がなく若しくは協議が成立しない場合、商標登録者若しくは利害関係者は裁判所に訴訟を提起することができ、また、工商行政管理機関に処理を請求することができる。工商行政管理機関は権利侵害行為が成立と認めた場合、即時に侵害行為の停止を命じ、権利侵害品及びもっぱら権利侵害品を製造し或いは登録商標の標章を偽造するため使用される器具を没収して廃棄処分し、合わせて罰金を科すことができる。当事者は処理決定に不服がある場合、処理通知書を受領した日から15日以内に「中華人民共和国行政訴訟法」に基き裁判所に訴訟を提起することができる。権利侵害者が期間内に訴訟を提起せずかつ処理決定を履行しない場合、工商行政管理機関は裁判所に強制執行を請求することができる。事件担当の工商行政管理機関は当事者の請求に応じて、商標専用権侵害の賠償金額について調停することができる。調停が成立しない場合、当事者は「中華人民共和国行政訴訟法」に基き裁判所に訴訟を提起することができる。

第54条

登録商標専用権を侵害する行為に対して、工商行政管理機関は法律に基き摘発する権限を有し、犯罪容疑があった場合、早めに司法機関に移送しなければならない。司法機関が法に基づきこれを処理する。

第55条

県クラス以上の工商行政管理機関は既に取得した違法容疑の関連証拠若しくは通報に基き、登録商標専用権侵害容疑行為に対して摘発を行う際、以下の職権を行使することができる。

() 当事者を尋問し、登録商標専用権の侵害について取り調べること、

() 当事者の侵害行為に係わる契約、領収書、帳簿及びその他関係書類を調べ、複製すること、

() 当事者が登録商標専用権の侵害行為を実施する容疑のある場所を立ち入り検査すること、

() 侵害行為に係わる物品を検査し、他人の登録商標専用権を侵害する物品であると証明する証拠がある場合、物品を封印しもしくは差し押さえること。

工商行政管理機関は法に基き前項に記載した職権を行使する際、当事者は協力しなければならず、拒絶、妨害してはならない。

第56条

商標専用権侵害の損害賠償金額は、侵害者が権利侵害期間で侵害により得た利益若しくは被侵害者が権利侵害された期間内に侵害により被った損失とし、但し、この損失は被侵害者が侵害行為を制止するために支払った合理的な支出を含む。

前項にいう侵害者が侵害により得た利益、若しくは被侵害者が被侵害により被った損失は確定し難い場合、裁判所は権利侵害行為の情状により50 万元以下の損害賠償を判決する。

登録商標専用権を侵害する製品であることを知らずにそれを販売した場合、当該商品を合法的に取得したことを証明でき、かつ提供者を説明した場合は、損害賠償の責任を負わない。

第57条

商標登録者若しくは利害関係者は、他人がその商標専用権の侵害行為を実施している若しくは実施しようとし、直ちに制止しなければその合法的権益に取り返しのつかない損害を被る虞があることを証拠を以って証明できる場合、訴訟を提起する前に、当該行為の差し止め及び財産保全の措置を採るよう裁判所に請求することができる。

裁判所は前項の請求を取り扱う場合、「中華人民共和国民事訴訟法」第93条から第96条及び第99条の規定を適用する。

第58条

証拠が滅失する虞があり、若しくは後で入手し難い場合、侵害行為を制止するため商標登録者若しくは利害関係者は訴訟を提起する前に裁判所に証拠保全を請求することができる。

裁判所は証拠保全請求を受領後、48時間以内に裁定を下さなければならない。保全措置をとるとの裁定を下した場合、直ちに執行する。

裁判所は請求人に担保の提供を命じることができ、請求人が担保を提出しない場合、請求を却下する。

裁判所が保全措置を取ってから15 日以内に請求人が起訴しなかった場合、裁判所は保全措置を解除しなければならない。

第59条

商標登録者の許諾を得ずに同一商品にその登録商標と同一の商標を使用し、犯罪を構成した場合、被侵害者の損失を賠償するほか、法に基づき刑事責任を追及する。

他人の登録商標の標章を偽造しまたは無断製造し、若しくは偽造または無断製造した登録商標の標章を販売し、犯罪を構成する場合、被侵害者の損失を賠償するほか、法に基づき刑事責任を追及する。

登録商標を偽った商品であると知りながらそれを販売し、犯罪を構成する場合、被侵害者の損失を賠償するほか、法に基づき刑事責任を追及する。

第60条

商標の登録、管理及び審判業務に従事する国家機関の職員は、公平に法律を執行し、廉潔に自らを律し、職責に忠誠を尽くし、丁寧に作業しなければならない。

商標局、商標評審委員会及び商標の登録、管理、審判業務に従事する国家機関の職員は、商標の代理業務及び商品の生産経営活動に従事してはならない。

第61条

工商行政管理機関は、健全な内部監督制度を確立し、商標の登録、管理及び審判業務を担当する国家機関の職員に、法律及び行政法規の執行、規律の遵守状況を巡って、監督・検査を行わなければならない。

第62条

商標の登録、管理及び審判業務に従事する国家機関の職員は、職責を怠り、職権を濫用し、私情により不正を行って商標の登録、管理及び審判を違法に処理したり、当事者から財物を受け取って不正な利益をむさぼったりして、犯罪を構成する場合、法に基づき刑事責任を追及し、まだ犯罪を構成していない場合、法に基づき行政処分を与える。

 

第八章 附 則

第63条

商標登録出願及びその他商標関連手続をする場合、費用を納付しなければならない。具体的な費用の基準は別途定める。

第64条

本法は、198331日により施行する。1963410日に国務院が公布した「商標管理条例」は同時に廃止する。その他商標管理に関する規定は、本法と抵触するものが同時に失効する。

本法の施行前に既に登録された商標は、引き続き有効である。